†夢の掛橋†第4歩
みなさまこんにちは、夢の掛橋管理人西村 茉莉です。
さて、今回のお話ですが、今回は男の子視点での雨の日の失恋です。
では、どうぞ…
†…†…†雨の中響く音†…†…†
地元でも古いライブハウス。客席がざわついてるのが聞こえる。ライトが光った。ボーカルに目配せをするとアイツは頷いて俺のギターソロからステージは始まる。
俺も客として知り合ったボーカルの日向は名前の通り、明るくて温かい俺にとって大切な存在だった。
「お疲れ!」
ライブが終わり、片付け終わって、ミーティングをしにファミレスへ移動し、乾杯した。
ちらちらと目が行くのは日向の笑顔。俺は日向が好きだった。
そんな帰り道、日向を俺が送ってやることになった。車酔いの激しい日向を助手席に乗せて、海岸沿いの国道を走った。
暗い夜道、車酔いしやすい日向を乗せているのもあっていつもより慎重な運転をする。
「空…今のメンバーどう?やりにくくない?」
心配そうにきいてくる。カチャカチャと助手席からCDを漁って俺らのバンドの曲を流す。
まさか俺が日向の声に惚れ込んで、加入を申し出たとは今となっては口が裂けても言えないと思った。
「メンバーみんな好きだから、そんなん考えたことねぇよ」
笑い返す。実際メンバーと喧嘩ばっかしてる俺だけど、バンドとして納得して演奏したいが故だからだった。
思ってる事は全部言いたいし、裏表作りたくないという俺自身の意思表示だった。
信号に差し掛かったところで雨が降り出した。
「雨…空ありがとうね☆帰り雨降ると大変なんだよ~」
坂道を登れば頂上が日向の住む家だった。
「良いって。お前んち遠いもんな。」
笑って相手の頭をポフポフと撫でる。日向もへにゃっとした笑顔を浮かべてくれた。
そんな笑顔が可愛くて、愛おしくて仕方なくて、思わずキスしたくなった。
日向の家の前に着く。メンバー内で恋愛なんて有り得ないと思っていたから、告白なんてするつもりなんてなかったが、思わず告げていた。
「日向、俺…日向が好きだ。一緒にいたい。」
日向は驚いた顔。俺自身も驚いている。日向にとって俺はメンバーだとしか思っていないことを知っていたから。
「ごめん…うちは空をメンバーとしてしか見てないから」
背中越しに答える日向の背中が悲しそうだった。日向にとって俺からの言葉は辛いもんだったのだろう。
「知ってた。ごめんな」
伝えた事は後悔したけど、伝える勇気を持った俺自身を褒めたかったし、俺にとって日向が大切な存在だって思ったから、後悔はしない。
「メンバーは付き合いたくないんだ。ごめん」
メンバーじゃなければって思ってしまうけれど、これも必要な経験なのだと思う。
だから今日は泣こう。そしてまた俺は明日から歩き出す。
†…†…†アトガキ†…†…†
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!如何だったでしょうか?
悲恋ってよりは単なる恋愛小説っぽいですね。
この作品から少し描写を入れて雰囲気を重視し始めていますね。しかし内容が若い。今読み返しても照れてしまいます(笑)
ではまたお会いしましょう。